昨年末、成人発達障害者の就労に関する番組がいくつか放送されていました。
今回視聴した『バリバラ』も、昨年末放送されたものの再放送で、
そのとき視聴できなかったので、今回視聴しました。
この手の番組には、がっかりさせられる確率が高いのだけど、
発達障害者の抱えている困難が、少しでも多くの人に知ってもらうためには、
内容はともかく、メディアで取り上げられること自体は悪い傾向じゃないと思い、
情報があれば、
期待半分、たぶんがっかりするだろう感半分で、視聴するようにしています。
でも、今回視聴した『バリバラ』は見事、期待していた割に、
本当にがっかりさせられた番組でした。
そのことは、ツイッター でもさんざんぼやいたのでここでは割愛します。
恐らく、番組に出演されていた当事者さんたちは、それなりに努力されてきただろう・・・とは思うのですが、残念ながら、そのあたりが、あまりにも軽く扱われていているような印象でした。
なんだか、皆さん、『障害をひょいと軽く乗り越えた』・・・という感じがして、
違和感を覚えました。
正直、発達障害者の就労は、『全然甘くない』状況です。
番組に出演された当事者さんのように、
『メモを書き終えるまで次の指示を待ってもらえる』
『一つの仕事に集中できるように配慮してもらえる』
・・・ような職場は、たとえ、障害をカムアウトしたところで、
なかなか、そのようにしてもらえるものではないのです。
だから、多くの成人当事者たちは転職を繰り返したり、
二次障害を悪化させたりしてしまうのです。
この番組の中で一つだけ希望の光が見えたことがあるとすれば、
それは、『発達障害者は、適切な支援があれば、安定して働くことができる』ということです。
ただ、今は不景気なこともあり、人員にも余裕がなく、
多くの職場には、番組に出てきたような支援ができる余裕が、ないのだと思います。
そして、企業や社会がこのような状況の中で、『発達障害者に支援を』と叫ぶのは
なんだかとても、KYであるようにも感じてしまいました。
それでも、成人発達障害当事者が安定して働ける職場がないと、今現在、学校などで配慮をされて、順調に成長している発達障害のお子さんの未来が、あまり明るいものではなくなってしまいます。
仮に今、中学生のお子さんが成人するころに、
成人発達障害者が安定して働ける職場が、あると思うでしょうか?
そのことを、今一度、考えていただければと思います。
成人発達障害者に、適切な支援を。
そのことを投げかけたのが、
今回放送の『バリバラ』の意味であるように私は感じました。
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